楽曲誕生の裏話
2021年6月3日にぴゅら子として初のシングル曲『オイラの正体』を配信リリースしました。応援して下さった方々、本当にありがとうございます。
この曲は、2021年の新年に何か始めたいなぁと思ってベースで弾き語りをしていた時に誕生した曲です。
ネリに練って誕生したというよりは、勢いとフィーリングをフル稼働させて10分くらいで作りました。
当時のツイートはこちらです。完成した音源からすると、ラフもいいところなんですけれども、ありがたい事にこの曲を気に入ってくださる方がいらっしゃって、いつもよりもたくさん反応をもらったんです。
実はぴゅら子の音楽経歴の源流には、ジャズよりも先にミュージカルの要素ありまして
私としても、とても自分らしい曲が書けたんじゃないかなぁと、歌詞や曲調も気に入っていたんです。
数ヶ月の月日が流れて、ふと聞き返したときに、作った当時の気持ちが薄れるどころか、この曲好きだなぁという気持ちが強くなっていたんです。
気がついたら1.5コーラスの短いコーラスではありますが、1、2日で衝動的に作り上げました。
オイラの正体の世界観
この楽曲は、イソップ物語 卑怯なコウモリ に着想を得ました。
割とマニアックなお話のような気がするので紹介させていただきます。
鳥界と獣界は絶えず争いを続けていました
コウモリは鳥には鳥として、獣には獣として自分の利益を第一に立場を変えていました
やがて鳥界と動物界の争いは終焉します
コウモリは鳥からも動物からも仲間外れにされて洞窟で寂しく暮らしました
こんなお話です。
このコウモリの姿が当時のぴゅら子の在り方とすごく重なっていたような気がしたんですね。
当時ぴゅら子はバーチャれないtuberという
Vtuberのようでリアルな存在として活動をしていたのですが、VtuberにもなりきれないしリアルなYouTuberにもなりきれない。
この曲はそんなぴゅら子のことを表した歌でした。
実は弾き語りの原曲の歌詞はリリースした時の歌詞とは少し違うんです。
リリース歌詞
あの娘の前では紳士のフリした オイラの正体誰か教えてよ
原詞
Vtuberの前ではVtuberのフリした私の正体誰か教えてよ
原詞ではコウモリという架空のキャラクターに当たっていたスポットライトを、最後の最後に自分自身へ向けています。
この世の中どこかおかしいんじゃないか。どんどんみんな自分勝手に、利己的になってしまっていないか。その結果、社会という機能が失われていないか。胸に手を当てて自問自答する時間が必要なのではないか。そんな内省的な要素を含ませたかった意図があります。
この楽曲を改めてシングル曲としてリリースする時に、卑怯なコウモリような在り方、その存在を遠い物語の存在と思って欲しくないと思ったんです。なので、もう少し一般化しようと手を加えました。
ぴゅら子が書く歌はどこか説教くさくなりがちなので、少しでも緩和させたいなぁと
この詞の中でコウモリを自嘲癖がある憎めないキャラクターとして描きたかったんです。
というのも、コウモリ的な人を攻めたいわけではないんです。
むしろコウモリ的な卑怯さ、卑劣さ、醜さは人間の誰しもが持ち合わせていることですし、とても愛おしいとさえ思っていて
そんなコンプレックスだったり負の感情を必死に隠しながら社会の中で人格が形成されていくんじゃないか、そうであって欲しいという希望があります。
この話はもしかしたら、本質的ではないし、あえて本質を遠ざけようとするバイアスが入っている可能性は多分にありますが。。。
でもさだって、そうじゃないと報われないじゃない。
重めの例えを出すとガチ凹みしそうな気もするので、少しライトな話で例えると
クソリプに対して一回冷静になりましょうって、社会性を優先させるために自分の感情に一回嘘ついてみましょうってことですよね。
そうやって負の感情を飲み込んで、公共の福祉というか過ごしやすいスペースを作っていく中で、自分自身に何かしらの成長がなかったら哀しいと思うんです。
コウモリさんは、公共の福祉と自己の利益のバランスが少し崩れてしまっただけだなんです。
自分の立場をひらひらと翻している姿は現代的な価値観で、かっこいいヒーローではないかもしれませんが一瞬一瞬を精一杯に生きているから嘘をつくんじゃないかってね。
コウモリさんも反省しているから洞窟でひっそりと暮らしているんです。
長々としゃべり散らかして結局何が言いたいのかというと
コウモリみたいな振る舞いしちゃうことってあるよね。だって人間だもん。
でも、自分がコウモリになっていることに気がつくことが出来ないようになってしまったら
それはコウモリの潜む洞窟よりも深い闇へ落ちてしまうということじゃないか。ってことです。
感謝と自戒の念を忘れずに
そしてそんな自分を好きでいられるようにノリノリで歌おう
I am BAT
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