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即興的なリハモにビビらない!〜名プレイヤーのリハモを研究しよう〜



※この記事はPart3です! これまでの記事を見た方がよりわかりやすい(前提を共有できます)です!


ジャズの演奏をしていると「あれ?ここコード譜と違う?」という現象と出会うことがあります。即興演奏においてコード進行には柔軟性が持たされることが非常に多いです。

そうなんです。


コード譜の通りに演奏してない奴ら多すぎ!!!


ということでこれまで、リハモについて紹介してきました。

今回の記事はそんなリハモ特集最終回!ということで


名プレイヤーたちのリハモを音源を聴きながら研究していきましょう!


『There'll Never Be Another You』André Previn · Joe Pass · Ray Brown

From 『After Hours』

1:23くらい

想定されるコードはⅥm(Dm)ですがここでDM9→DmM7というコード進行にリハモされています。

このリハモが表現される前には早いパッセージで駆け上がるフレーズ、スリリングな和音

そして着地が想定コードの同主調であるDM9。とてもドラマチックでぜひ真似したくなるリハモですね。



お気づきかもしれませんがこの記事は

このように一曲の中からわずか数秒間のハーモニーについてのマニアックな話が続きます。



『Autumn Leaves』 Peter Martin Trio From 『Open Studio』

4:05くらいから


テーマのリハモです。

|Cm7| F7| BbM7| EbM7|となるところを

|Dbm7 Gb7|Cm7 F7|Bm7 E7|Bbm7 Eb7|とリハモされています。

このプレイの好きなポイントは

3小節目からベースのReuben RogersがピアノのPeter Martinの意図を汲み取りリハモについて来ているところです。

最初のDbm7 Gb7ではCmを想定していて、2小節目ではFを1拍弾いて止まり3小節目からついてきています。

またドラムのGreg Hutchinsonも1小節目で1拍目にライドをおこうとしていますがやめています。ここで何か仕掛けがくることを察知しているように見えます。

とてもリアクションに優れていますね。

内容としては半音上のⅡm7 Ⅴ7の挿入です。これは前回にも紹介したスーパーインポーズ的なリハモですね。

半音上のⅡm7 Ⅴ7を挿入するようなハーモニーは、ハードバップの時代のアレンジや作曲に使われていることがありますね。これを即興的にねじ込んでいくこのようなプレイは割とよく見かます。



ちなみにこの音源は模範演奏という立ち位置で、アンサンブルクラスようにレコーディングされたもののようです。

このクラスは実は解説パートがOpen Studioから有料で売られていて、私はもちろん購入済です。この3人がアンサンブルにおいてどんなことを考えながら演奏しているのかヒントを得られます(めっちゃ上級者向けだし、もちろん英語なのでガチでやりたい方向けって感じです)

動画には全パートのトランスクライブが載っています。すごい!

でもちょこちょこ間違えているので自分の耳を信じましょう。



『There Is No Greater Love』

Dado Moroni · Jesper Lundgaard · Lee Pearson · Isham Jones

From『There is No Greater Love』

3:32くらいからと、4:05から


3:32ごろ|Cm7 |F7|Bb 想定のコード進行ですが

ピアノ Dado Moroniは|Dbm7 Gb7|Cm7 F7|Bb

と演奏しています。こちらも先ほどの枯葉と同じリハモですね。

ご覧のようによく見かけるリハモです。


このテイクではピアノが少し前からDbm7の分散和音を弾いているので、ベースも3拍目からリハモについていっています

とても反応が早いですね。これくらいついていけてなんぼというような余裕を感じます。



また4:05あたり。ピアノが込み入ったリハモをしているので紹介してみましょう。

通常が

Bb7|Eb7|Ab7|G7

C7|C7|Cm7|F7

このようなコードだとしたら


リハモ内容は

Bb7|Eb7 Gbm/Ab7|Bm7 E7|Bbm Am|

Abm6|Dbm7 Gb7|Cm7| F7

およそこのようなコード進行にリハモされています。

難しい…いや!原型とどめてないじゃん!


これにベースもついていこうとしているのがすごくて、ピアノの進行と噛み合ったりニアミスしたりしています。この感じがまた即興演奏の良さ、ライブ感を引き出していてとてもかっこいいですね。


内容を見てみるとGbm/Ab7はAb7の前借りと捉えるか、Eb7 をディミニッシュスケールに置き換えていると捉えるべきか解釈が分かれそうな気がします。

そしてⅡm7 Ⅴ7を挿入しまくり。

このようなリハモはターゲットのコードに対して進行するドミナントモーションを増し増しにすることで作ることができます。今回でいうと後半のCm7 F7へ向けて、ええい!やっちゃえ!というような印象を受けます。

今回のリハモ内容を私は上記のように紹介しましたが、例えばBm7 E7の部分などはバッキングはBとF#のみでフレーズがBmのようなフレーズだったのでこのようにコードネームをつけています。

しかしベースがAbを演奏するだろうという予測の元でこのリハモが行われたとしたら

Bm7としている部分は、Abm7-5と解釈することもできるかもしれません。

複雑なリハモは解釈の選択肢が分かれ得ると言えるでしょう。


まとめ

さて今回は素晴らしいプレイヤーからリハモのアイデアを研究しました。

今回このリハモにビビるな!という企画を行ったのは、コード譜面に囚われて演奏するのをやめよう!という私なりの提案のつもりです。

こんなにも音楽は自由だということを紹介できたら嬉しいです。

普段は曲の解説、アナライズをしていますがこのように即興的に行われるリハモを知ると

楽曲のアナライズも一つの視点にすぎないことがわかると思います。

その楽曲が持つ個性の一部を取り出して紹介しています。

そしてそれは、新しい解釈や演奏に出会ったときについていけるための基礎体力(みたいなもの)です。ハーモニーの変化に敏感に気がつくことができる耳と演奏能力を高めていきましょう!


以降はぴゅら子のジャズアナ応援していただいている方へ向けた記事「リハモされたときの伴奏のコツ」です。


記事の続きは…

pularko.com を定期購読してお読みください。

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