新しいシリーズを始めてみました!
このシリーズでは巨匠のベースラインをトランスクライブ、アナライズして
自身のベースラインのスキルアップに活かそう!という内容です!
今回はBlue Mitchellのアルバム『Blue's Moods』より
I'll Close My Eyes のアドリブパートのベースラインを2コーラス分とりました!
ベースプレイヤーはSam Jones
参考音源はこちら!
メモ
メンバーはBlue Mitchell(tp) Wynton Kelly(p) Sam Jones(b) Roy Brooks(ds )
譜面はこちら!
アナライズしよう!
1コーラス分のアナライズです。
譜面に書き込んだ内容で通じる方には通じるとは思いますが、以降の記事では
こういうアナライズがご自身で、できるようになることを目的とした考え方をシェアしようと思います!
アナライズの考え方
譜面に記載したコード(黒文字)はなんとなくよく演奏されてそうなコード進行を少し
このアレンジに忖度したみたいな感じでつけてみました。
まずトランスクライブする時には、一般的に演奏されるコード進行などガイドとなるようなコードを想定した上で音をとると、実際に自分がプレイする際に活かしやすくなります!
コードをベースラインからミクロに捉えなおす
ベースラインに着目してミクロに捉えると、ところどころコードネームを変更(赤文字)して考えた方がわかりやすい部分があります。
例えば1小節目の譜面を見るとギザギザした形になっていますよね。
コードが切り替わっていないのに、このような形になることは珍しいです。
実際にこの譜面を全体的に見渡しても滑らかな音のつながりが多く、コードが切り替わる時にたまに凸凹な形になっています。
今回の場合はC7が挿入されていると考えるとわかりやすいです。
ではなぜC7を挿入できるかというと、これはハードバップの考え方です。
ハードバップは当時に存在していたスタンダードナンバーのコード進行をⅡ-Ⅴモーションなどを追加して細かくすることでサウンドを得ていました。
この例もFとFに対するⅤ7を追加することで、Fへ向かう音を足して、進行感を強めています。似たような手法は、2段目の3小節目や6段目の2小節目に見られます。
以降も、これらの譜例から解釈できることを、文章にて補足して紹介しています。
この後の主なトピックは
「コードトーンとコードトーンを繋ぐ例」
「Ⅱ-Ⅴ進行の柔軟性」
「2コーラス目のアナライズ書き込み譜面」
以上の3点です。
コードトーンとコードトーンを繋ぐ方法
全体的に滑らかなラインが作られています。ベースラインは一般にコードトーンと、スケールの音と、それらを結ぶ経過音で構成されます。それらをうまく組み合わせることで音が必要以上にスキップしないようにしています。