このシリーズでは巨匠のベースラインをトランスクライブ、アナライズして
自身のベースラインのスキルアップに活かそう!という内容です!
今回はOscar Petersonのアルバム「Play the Cole Porter Song Book」より
Night and Dayのアドリブパートのベースラインを1コーラス分とりました!
ベースプレイヤーはRay Brown
今後もレイブラウンのベースラインを数週間に渡って分析していきます。
なので、レイブラウンぽいベースラインとは何か?ということに少しずつ迫れたらいいなと思います。
参考音源はこちら!
メモ
このアルバムはシリーズもので、いろんな作曲家の曲をオスカーピーターソントリオが演奏するアルバム。作曲家を単位として音楽をインプットできるので音楽を知りたい人におすすめ!
Piano: Oscar Peterson Associated
Double Bass: Ray Brown
Drums: Ed Thigpen
譜面はこちら!
アナライズしよう!
音のつながりに注目しよう!
レイブラウンのように演奏できるようになりたいので、ひとまずこのテイクにおける全体的な音のつながりに着目しましょう!
個人的には1拍目に大きな個性が現れると思うので、今回は特に1,2拍目について着目します。
ルートの次にどんな音を弾いているか
1拍目にルートを弾く時の2拍目のつながりで半音または全音以外の音が使用されているのは3rdまたは5thのみです。
ルートの次には基本的に2,7,3,5のいずれかしか演奏していません。
1拍目にルートを演奏しないタイミング
ルートを演奏しないタイミングを分析しましょう
まず、同じコードが2小節つながるような部分では2小節間のどちらか片方の1拍目でルートを演奏しています。なので、連続でルートを弾かないようなスケールライクなフレージングや、リニアラインを作っています。これはいわゆるウォークアップやウォークダウンといった典型的なベースラインとよく似ています。
別の例としては3段目のように、13,31という決まった形をつくる時にもルートを1拍目で弾いていないです。
6段目の1,2小節も5175,5135と対になるようなシェイプを使っている時にルートを外しています。
これはルートを追いかけるということよりもメロディーの力を使ってトーナリティを示すような使い方です。
以降の記事では
テンションから始まっている6段目の3小節目のようなことがなぜ起きるのかをビバップのメロディ分析的な説明、解説をしています。また加えてスキップしている音に対するアナライズをしています。
この2点が気になる方はぜひ読んでみてください!
テンションノートから始まる箇所
6段目の3小節目は唯一テンション-9から始まっています。
ルートに対する強い進行感がでるように聞こえます。また-2123,5435という進み方は、シェイプが似ています。
先ほども記載した通り音形を維持するために、ルートが演奏されないケースに当てはまるといっても良いでしょう。
このシェイプと抽象的に説明している現象についてもっと具体的に説明しましょう。
最初の-2は1への前打音です。
前打音とは強迫に置かれ和音へと順次進行する外音のことです。
次の2 3という流れも、2が3に対する前打音ということもできるでしょう。
レスターヤングやチャーリーパーカーのソロフレーズからもこのような歌い回しは見出すことができます。
前打音は不協和音をつくのでその意図がしっかりと伝わるようなメロディを作らないと、伝わりません。
ここはやや高度な音運びとなっていることを知りましょう。
スキップするベースライン
ベースラインを全体的に見渡すとベースラインが跳躍している箇所がいくつかあります。
それらの多くは、オクターブ離れた半音または全音の関係にあります。
歌い回しを大きくしたい時に、適当に遠くの音を弾くのではなく、その前後の流れを、オクターブずらして引き継ぐようなベースラインを弾く必要があります。