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Benny Golsonの『Stablemates』 実践編



ごあいさつ

前回に引き続きセッション定番曲 Stablemates を紹介!

実践編では前回のアナライズをどう演奏に反映させるかをテーマにお話しを進めます!まだ「Benny Golsonの『Stablemates』 アナライズ編」をみていない方はよかったら一度目を通してみてください!


Stablematesの楽しいポイント

Aパート最初の2小節がアツい!

アナ記事ではこんな紹介をしました

・Em7 A7はDメジャーのツーファイブ A7はAb7へのドミナントモーション

・Ebm7 Ab7 DbM7はDbへのツーファイブ

トーナリティが半音下降しますが、これに対して

A7はAb7へのドミナントモーション

という紹介をしています


さらっと書かれているけど、これはどういうこと??

そう思った方もいるかもしれませんね

このコード進行は、いくつかの解釈をつけることができると思います

なので、色んな弾き方がでるんです


「A7はAb7へのドミナントモーション」という説明は

あくまでも機能和声の範疇を逸脱しない解釈で説明しようとしている一文です


A7からAb7への音のつながり方について

A7の3rd「C#」からAb7の3rd「C」そしてDbM7の「Db」へ進行する

A7の7th「G」からAb7の7th「Gb」そしてDbM7の「F」へ進行する

この繋がり方、ボイスリーディングを強く意識した説明の仕方です

なので、演奏する時にもこれらの音をターゲットノートとしながら間を埋めるように演奏することで、ドミナントモーションの動きをより強調できます


一方でEm7 A7 Ebm7 Ab7を半音下降するコード進行の平行移動と捉えることもできます

実は平行移動は機能和声という考え方から離れた捉え方です

音の群れがそのまま下降していると捉えます

平行移動というアイデアで、このコード進行を表現する時にはコードをデフォルメするとより効果的です


例えばA7無視した解釈をすると

|Em7 |Ebm7 Ab7|

Em7 Ebm7といコードの流れの中にはコードの機能が無視されます

ここでペンタトニックスケールを平行移動するフレーズなどを使用すると、平行移動のアイデアを使っていることが伝わりやすいです



この譜例ではEm7に対して9th,11th,5thを使用しています

3rdや7thをあえて避けることで、浮遊感があるフレーズを作ることができます。そして、浮遊感のあるフレーズを平行移動させると、こういうアプローチにはよく合います!

一方でDbM7ではフレーズをそのまま据え置きして、3rdから始まるメロディになっています。浮遊感があるフレーズを使用したあとには、トニックや展開、ブロックの頭で着地するような音を使うことが一般的です。意図が伝わりやすい演奏を心がけましょう!


また、このように短く挿入される部分転調は無視したり、二つの調に共通する音を使用することもあります

前回のアナライズ編では、C7#5をブルースの文脈で紹介しました

今回は少し違う目線からアナライズしてみます!


C7#5はCオルタードスケール内にコードトーンが含まれています

CオルタードスケールはDbメロディックマイナースケールの転回です

するとDbM7 DbmM7 Db7というコードのラインが見えます

コードも確認してみましょう


3小節目から

|DbM7|C7(#5)|Abm7|Db7|


DbM7 Dbメジャースケール

C7(#5) Dbマイナーメジャースケール

Abm7 Db7 Dbミクソリディアンスケール


Dbをトーナルセンターと捉えるスケールの流れ、音の流れが見やすくなります

3rd F→E→F

7th C→C→Cb


まとめ

解釈やアイデアを整理するだけでは実際に音にすることは難しいですね

音の流れを一音ずつ整理して、特徴的な音を軸にすることで、思考に咲くリソースを減らすことができます!


練習を繰り返すことで、それらのアイデアが即興で形になるようになります


実践的な内容で確認しよう!



まずはぴゅら子が作ったソロをお聞きください!


こちらのソロフレーズを元に演奏に役立ちそうなネタをおさらいしていきましょう!

譜面をダウンロードして並べてご確認ください!

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